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リフォーム費用の減価償却と耐用年数について
仕事で経理を担当されている方はよく知っていると思いますが、会計上、減価償却という計算方法があります。
かかった費用を一度に計上するのでなく、数年にわたって分割して計上していくこの仕組み。
実は、リフォームの費用にも適用出来るということをご存知ですか?
ここでは、リフォーム費用の減価償却と耐用年数について説明していきます。
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減価償却とは?
減価償却という言葉、「なんとなく聞いたことはあるけど、よくわかっていない」という方もいるかもしれません。そこで、まずは減価償却という言葉の意味について説明します。
この言葉は、本来「Depreciation」という英語を半ば強引に日本語に訳した言葉で、本来の英語の意味を直訳すると「価値下落」という意味になります。
その本来の言葉の意味通り、使っている間に建物など物自体の価値がだんだん下がっていくという考え方に基づいた計算方法になります。
つまり減価償却とは、下がった価値を金額で表したもので、その金額を経理上経費として処理することをいいます。
そして、その物を使用する期間を法的に定めているのが法定耐用年数です。
例えば自動車の場合、法定耐用年数は5年・6年・7年となっています。その期間内にかかった費用を償却していくことになります。
具体的には、300万円の自動車を購入し、その法定耐用年数が5年であれば、1年に60万円ずつ価値が減っていき、5年後に価値がゼロになるという考え方ですね。
300万円を一度に費用として計上するのではなく、5年にわけて60万円ずつ計上していく、というのが減価償却の基本的な仕組みになっています。
建物の場合の耐用年数とは?
不動産の場合、土地には関係ありません。建物だけに適用されます。
建物の耐用年数は以下になります。
- 鉄骨造(RC造)は47年
- 木造は22年
- 軽量鉄骨造は27年
- 重量鉄骨造は37年
となっています。
また、それぞれに減価償却率が定められており、
- 47年の場合0.022
- 22年の場合0.046
- 27年の場合0.038
- 34年の場合0.030
となっています。
例えば、5000万円で軽量鉄骨造の事務所を建てた場合における年間の償却額を算出すると、5000万円×0.038=190万円となります。
この額を、年間の経費として計上することができます。
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リフォームの費用にも減価償却が適用される?
ここまで車や新築(既存の建物を新たに購入した場合も含む)のケースを通して減価償却について説明してきました。
ここで、「リフォーム(リノベーション等)を行った場合の費用についてこの減価償却は適用されるのか」について解説します。
先に答えを言うと、「リフォームにも減価償却は適応されます」。
減価償却は、店舗や事務所、工場などの建物をリノベーションした際に発生する費用にも適用され、減価償却額を費用(経費)として計上することが出来ます。
ただし条件があり、減価償却はあくまでも固定資産の価値を高めるために行った工事に対する支出である場合にのみ認められているのです。
原状回復のための工事の場合は、修繕費として扱われることがあるため注意が必要。この場合は完成した年に一括で経費処置されるのが一般的です。
リノベーションの場合は、資産価値を高めることが目的となっているため、複数年にわたって経費として処理され、資本的支出とされるというわけですね。
資本的支出の場合は、元の建物と同じ工法で新築した場合の償却期間が適用されることに留意する必要があります。
リフォーム費用の場合の耐用年数とは?
例えば、築20年の重量鉄骨造の事務所を2000万円かけてリノベーションした場合について解説します。
リフォーム費用を残りの17年で減価償却するのではなく、新築当時と同じ耐用年数(この場合は37年)で減価償却を行います。
つまり、建物の減価償却とは別に、リフォーム工事にかかった費用について、法定耐用年数で減価償却を行っていくというシステムです。
なぜこうなるかと言えば、リノベーションを施したことにより固定資産の価値を高めるという効果をもたらしたと解釈されるからです。
ただ先ほどお話したように、同じリフォームでも
- 外壁が汚れたので外壁を原状回復した
- 雨漏りがするので屋根を葺き替えた
といった場合は修繕費となり、一括経費処理されるということになります。
これらは決算業務をされた経験のある方なら誰でも知っている事ですが、一般のサラリーマンや個人事業主の方は知らないという方が多いかと思われます。
所得税の一部免除など節税対策にもつながりますので、ぜひ覚えておいて下さいね。
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