屋根の無機塗料の値段を調べるほど、1㎡あたりの数字がサイトごとに違って、手元の見積もりが高いのか分からなくなりますよね。
この記事では、屋根塗装で無機塗料を選んだときの相場を解説します。
ヌリカエのコラムにある見積もり例(30坪・屋根55㎡・足場と付帯部込み・税込)では、無機塗料で約60万円と、フッ素に近くシリコンより高めです。
- 屋根55㎡の見積もり例(税込)で無機は約60万円
- フッ素は約57万円、シリコンは約53万円(同じ例)
- 差が出るのは見積書の塗料の行
- 「20〜25年」はメーカーの目安で保証ではない
- 迷ったら、最大4社の塗装会社を紹介してもらえるヌリカエで、同じ条件の見積もりを並べる

雨漏りや割れがある屋根の人は、塗料を選ぶ前に屋根全体を見てもらうほうが先です。
無機の単価は製品によって幅があり、屋根の面積も家ごとに違います。
手元の見積もりが高いかどうかは、同じ条件で出してもらった見積もりと並べないと決めにくいもの。
屋根材・面積・下塗り・縁切りをそろえて何社かに出してもらうと、無機塗料の行のどこで金額が違うかが見えてくるはずです。無機にするか、フッ素やシリコンにするかも、その数字を見て決められます。比べた結果、今の会社に決めてもかまいません。
屋根の塗料を無機にするか、同じ条件の見積もりで比べてから決めたい人には、ヌリカエが向いています。
\ 最短1分入力・利用は完全無料 /
屋根の塗料と見積もり いまやることチェック

管理人:たくみ
一軒家を新築したことをきっかけに、外壁塗装やリフォームの情報を発信しています。義父が外壁塗装をした際には、複数社の見積もりを私も実際に確認しました。記事は、クラウドワークスを通じてリフォーム業界で働く方にも執筆を依頼しています。
当サイトの情報は、国土交通省、国民生活センター、消費者庁、住まいるダイヤル、住宅リフォーム推進協議会、住宅瑕疵担保責任保険協会などの公的な情報をもとにまとめています。
屋根塗装の無機塗料の相場はフッ素に近くシリコンより高め
屋根を無機塗料で塗る金額は、ヌリカエのコラムの数字で見るとフッ素とほぼ同じくらいで、シリコンより高めです。
差が出るのは、見積書の中の塗料の行。

無機塗料の単価は上塗り1回あたりでフッ素とほぼ並ぶ
屋根の上塗り1回あたりの真ん中の金額は、無機1,500円・フッ素1,450円で、ほぼ並んでいます。
ヌリカエのコラムが、2021年9月〜2024年6月にヌリカエを通じて出された屋根の見積明細を、項目ごとにまとめた数字です。
仕上げの塗料は中塗り・上塗りの2回に分けて塗るのが一般的で、次の表にはその1回分(明細の「上塗り」の行)の単価を並べました。
| 塗料(1回あたり) | 真ん中の金額 | 多くの見積もりが入る範囲 | 件数 |
|---|---|---|---|
| 無機 | 1,500円/㎡ | 1,150〜2,000円/㎡ | 196件 |
| フッ素 | 1,450円/㎡ | 1,200〜1,600円/㎡ | 75件 |
| シリコン | 1,000円/㎡ | 850〜1,200円/㎡ | 280件 |
| 参考:下塗り | 700円/㎡ | 600〜900円/㎡ | 164件 |
無機は範囲が広く、製品によってはフッ素より高くなります。
コラムにも、無機塗料は製品によって単価に差が出る項目だという注記がありました。
仕上げの塗料は2回なので、屋根100㎡で比べると、無機とシリコンの差は約10万円、無機とフッ素の差は約1万円の計算です。真ん中の金額どうしの差に回数と面積を掛けた筆者の計算で、足場などほかの行は同じと仮定し、消費税は含めていません(税込なら約1割増えます)。1軒の見積もりの例ではありません。
同じ屋根で塗料だけ替えた見積もり例で差を見る
ヌリカエのコラムには、同じ屋根で塗料だけを替えた見積もり例も載っています。
30坪の家で屋根55㎡、足場・縁切り・軒天・破風・雨樋まで入れた税込の合計を並べたのが次の表。
| 塗料 | 合計(税込) | 無機との差 |
|---|---|---|
| シリコン | 532,975円 | 71,148円 |
| フッ素 | 566,643円 | 37,480円 |
| 無機 | 604,123円 | ― |
この例では、無機はフッ素より約4万円、シリコンより約7万円高い計算です。
足場や付帯部の金額はどの塗料の例も同じで、違うのは下塗り・中塗り・上塗りの塗る3つの行だけ。
- この例の中塗り・上塗りの単価は、フッ素1,160円・無機1,380円
- 前の表の真ん中の金額どうしの差(50円)より開いた組み合わせ
- どちらも製品と単価の組み合わせで変わる目安
同じ単価なら、屋根の面積が大きい家ほど、塗料による差は開きます。「無機はずっと高い」と思っていた人には、意外に小さい差かもしれません。
無機塗料の見積もり例の内訳は足場と塗る工程が中心
無機塗料の例の604,123円を行ごとに分けると、次のとおりです。
| 項目 | 数量と単価 | 金額 |
|---|---|---|
| 足場 | 200㎡×700円 | 140,000円 |
| 養生 | 200㎡×200円 | 40,000円 |
| 高圧洗浄 | 55㎡×180円 | 9,900円 |
| 下地調整 | 1式 | 30,000円 |
| 下塗り | 55㎡×920円 | 50,600円 |
| 中塗り(無機) | 55㎡×1,380円 | 75,900円 |
| 上塗り(無機) | 55㎡×1,380円 | 75,900円 |
| 縁切り | 55㎡×350円 | 19,250円 |
| 軒天 | 15㎡×1,500円 | 22,500円 |
| 破風 | 30㎡×900円 | 27,000円 |
| 雨樋 | 32m×1,000円 | 32,000円 |
| 諸経費(5%) | ― | 26,153円 |
| 消費税(10%) | ― | 54,920円 |
| 合計 | ― | 604,123円 |
表の行のうち、足場と、下塗りから上塗りまでの3つの行を足すと342,400円で、諸経費と税を除いた523,050円の約65%を占めます(筆者の計算)。
養生は塗らない所をシートで覆う作業、高圧洗浄は強い水でこけや汚れを落とす作業のこと。
縁切り(屋根材の重なり目を塗料でふさがないようにする作業)も、屋根ならではの行といえます。
軒天(軒の裏側)・破風(屋根の端の板)・雨樋は付帯部と呼ばれ、屋根そのものではない部分です。諸経費は、現場の管理や資材の運搬、廃棄物の処理などをまとめた費用で、この例では小計の5%で計算されています。
ネットの無機塗料の単価がばらばらなのは数え方の違い
無機塗料の単価は、上塗り1回分か、下塗りから上塗りまでの3回分かで、数字の大きさが変わります。
上の表の真ん中の金額を足すと、下塗り700円+仕上げの塗料1,500円×2回で1㎡あたり3,700円(筆者の計算)。
サイトによっては1㎡あたり数千円の幅で書かれていて、何回分の金額かで大きさが変わって見えます。
- 何回分か(上塗り1回分か、3回塗りの合計か)
- 屋根か外壁か
- 工事の面積の大きさ
- 同じ無機でも製品が違う
面積については、塗料メーカーの設計価格表でも、面積が大きい列のほうが1㎡あたりが2割ほど安く書かれています。
ただし設計価格は、大きな建物の工事で設計者が使う材料と工事費込みの参考価格で、新築の下地・足場別が前提の、住宅の相場とは別の物差しです。
屋根か外壁かの違いは、外壁の無機塗料の単価で数え方ごと分けて書きました。
手元の見積もりが高いかは同じ条件で並べると分かる
目安の数字が分かっても、手元の見積もりが高いかどうかまでは、その数字だけでは決めきれません。
無機の単価は製品で幅があり、屋根の面積も家ごとに違うためです。
さらに、下塗りの種類や縁切りの方法でも、行の金額は変わります。
- 無機塗料の製品
- 屋根の面積(同じ30坪でも家で違う)
- 下塗り材と塗り回数
- 縁切りの有無と方法
公的な相談窓口の住まいるダイヤルも、相見積りは各社に同じ条件で頼むよう案内しているところ。
同じ屋根材・面積・下塗り・縁切りで出してもらえば、無機塗料の行のどこで金額が違うかが並べて見えるはずです。製品の違いか、塗り回数か、面積かが分かれば、その見積もりで頼むかは自分の目で決められるもの。
相談の流れや紹介の仕組みは、下のボタンから確認できます。
\ 審査済みの優良業者を地域から紹介 /
屋根と一緒に外壁塗装も無機塗料にしたときの相場
外壁も無機塗料にすると、30坪の外壁だけでヌリカエのコラムの例では約107万円です。
外壁を無機塗料にした30坪の内訳例を見る
ヌリカエのコラムには、30坪の家で外壁だけを無機塗料で塗る内訳例が載っています。
外壁の面積は119㎡で、足場は架面積(足場を組む面の広さ)196㎡で計算された例です。
| 項目 | 数量と単価 | 金額 |
|---|---|---|
| 足場 | 196㎡×700円 | 137,200円 |
| 高圧洗浄 | 149㎡×150円 | 22,350円 |
| 養生 | 186㎡×150円 | 27,900円 |
| コーキング補修 | 106m×700円 | 74,200円 |
| 下塗り | 119㎡×1,140円 | 135,660円 |
| 中塗り・上塗り(無機) | 119㎡×4,256円 | 506,464円 |
| 雨どい | 40m×800円 | 32,000円 |
| 諸経費(4.3%) | ― | 40,238円 |
| 消費税(10%) | ― | 97,601円 |
| 合計 | ― | 1,073,614円 |
ヌリカエの案内では、30坪の外壁塗装の相場は80万〜120万円(真ん中の金額100万円)で、この例はその範囲の中です。
コーキング(外壁材のすき間を埋めるゴム状の材料)の補修は、外壁ならではの行といえます。
坪数ごとの総額や、外壁と屋根を合わせた金額は、40坪2階建ての外壁と屋根の塗装相場にまとめました。
外壁の無機塗料の単価は3回塗りの合計で見る
屋根の表は上塗り1回あたりの金額でしたが、外壁の表は3回塗りの合計です。
3回塗りは、下塗り1回と、仕上げの塗料の中塗り・上塗り2回を合わせた塗り方のこと。
| 塗料(3回塗りの合計) | 1㎡あたり |
|---|---|
| 無機 | 5,396円 |
| フッ素 | 5,077円 |
| シリコン | 3,550円 |
| ラジカル | 3,373円 |
外壁でも無機とフッ素の差は1㎡あたり319円と小さく、シリコンとは1,846円の差です(筆者の計算)。
内訳例の下塗り1,140円と中塗り・上塗り4,256円を足すと5,396円で、表の無機とちょうど同じ数字です。
屋根の1回分の表と、外壁の3回分の表は、同じ物差しでは比べられません。数字を見るときは、何回分の金額かを先に確かめるのが早道。
外壁も一緒に塗る人は、外壁と屋根の塗料の組み合わせをヌリカエで紹介された何社かに同じ条件で出してもらうと、組み合わせごとの差を並べて見られます。
耐用年数は塗り替えの目安で無機塗料でも保証ではない
無機塗料の耐用年数は、メーカーが示す次の塗り替え時期の目安で、保証の年数ではありません。
よく見る耐用年数は次の塗り替え時期の目安
「無機は20〜25年」とよく書かれますが、メーカーの資料を見ると、年数の書き方は製品によって違います。
私が確認できた無機系の外壁用塗料の資料では、期待耐用年数(次に塗り替える時期の目安の年数)が「15年以上」のものから「20〜25年」のものまでありました。
あるメーカーの資料には、年数は次回塗り替え時期の目安で、地域や立地、塗る面の方角によって変わるという注記があります。
- 年数は次回塗り替え時期の目安
- 「保証の値ではありません」と書くメーカーもある(環境で増減するという説明つき)
- 「30年想定」と書く資料もあるが、これも目安
- 地域・立地・方角で変わると書く資料もある
- 屋根用の製品ページには年数の数字がないものもある
一方で、屋根の無機塗料の年数を書いた公的な資料は、調べた範囲では見つかりませんでした。
工事の保証の期間は、塗料の耐用年数とは別のものです。
保証の内容は、見積もりや契約のときに書面で確かめておくと、あとで食い違いません。
無機塗料の多くは無機と有機を組み合わせたハイブリッド
無機塗料の「無機」は、石やガラスのように、紫外線や薬品に強い成分のことで、屋根や外壁に使う製品の多くは、有機の樹脂と組み合わせています。
有機の樹脂は、石油などからつくる、塗料の膜のもとになる成分で、シリコンやフッ素も樹脂の種類です。
メーカーの資料も「無機有機ハイブリッド」「無機系」と書き、無機成分の硬さと有機樹脂の柔らかさを合わせた塗膜だと説明しています。
国が公共の建物の工事に使う公共建築工事標準仕様書では、耐候性の上塗りの等級はふっ素樹脂・シリコーン樹脂・ポリウレタン樹脂で書かれ、「無機」の区分は載っていません。住宅の見積書の決まりではありませんが、「無機」という言葉の使い方もメーカーの資料ごとにさまざま。
そのため、見積書では「無機」の2文字ではなく、製品名で確かめると中身が分かります。
汚れにくさ(超低汚染)を強みとして挙げる製品の資料も見かけました。
ウレタン・シリコン・フッ素など塗料の種類全般の違いは、外壁塗料の選び方で取り上げています。
硬く強い反面もろさもあるとメーカーも説明している
無機成分が硬く強い一方でもろさもあることは、メーカー自身も資料で説明している性質。
あるメーカーの屋根用ページには、無機成分は「硬く強い反面、脆さという性質がある」と書かれています。
そして同じページで、有機成分には「ひび割れや剥がれを防ぐための高い柔軟性」があると説明し、組み合わせる理由にしていました。
ヌリカエのコラムも外壁の話として、無機塗料は塗膜が非常に硬いため、ひび割れのリスクがあり、施工には高い技術が必要と書いています。どれも「無機はひび割れる」という言い切りではなく、下地と塗り方が大事という話。
硬さが気になる人も、まず屋根材に合う下塗りと、下地を整える工程が見積書に入っているかを確かめておくと、会社の説明を聞きやすくなるはずです。
塗料の硬さと屋根材の相性は会社によって説明が違うので、ヌリカエで紹介された会社の説明も聞いて並べると、自分の屋根に合う考え方がつかめます。
無機塗料を塗る前に屋根材が塗れる状態かを確かめる
無機塗料を選ぶ前に、今の屋根材が塗装できる状態か、その製品が使える屋根材かを確かめます。
スレート屋根は傷みが進むと塗れないこともある
住宅用化粧スレート(セメントを薄い板にした屋根材)は、傷みが進むと塗装できない場合があります。
無機の屋根用塗料のメーカー資料には、「薄型塗装瓦・スレート屋根の場合、基材自体の強度低下が著しく、塗装できない場合もあります」という注意書きがありました。
屋根用の下塗り材の資料でも、瓦の素地がもろくなっている場合は、はがれの原因になるので塗装しないよう書かれています。
- 地面や2階の窓から割れ・反り・欠けを見る
- 現地調査で屋根材がもろくなっていないかを見てもらう
- 屋根材メーカーの案内も確かめてもらう
屋根材メーカーの資料には、塗り直しには専用の塗料を使うよう案内しているものもあります。
自分で屋根に上るのは危ないので、見るのは地面や窓から見える範囲までで十分。
塗れない状態のときは、塗料を選ぶより先に、カバー工法や葺き替えも含めて相談するところからです。
金属屋根は錆止めの下塗りと使える製品かを見る
ガルバリウム鋼板(さびにくくめっきした鋼板)やトタン(亜鉛めっきの鋼板)の金属屋根では、塗料の種類より先に下塗りを見ます。
メーカーの資料では、鉄などの金属に塗るときは、下塗りにさび止めの塗料(錆止め)を使うようにという書き方です。
- 下塗りに錆止めが入っているか
- その塗料が金属屋根・トタンを使える屋根材に挙げているか
- さびを落とす下地調整の行があるか
屋根用の無機系塗料の製品ページには、使える屋根材にトタン屋根や金属屋根を挙げているものがあります。
一方で、使える屋根材を製品ごとに決めているので、金属屋根ならどの製品でもよいわけではありません。
金属屋根の人は、屋根材の名前を伝えて、その製品が使えるかと、下塗りに何を塗るかを聞いておくと話が早いです。
無機塗料は製品ごとに使える屋根材が決まっている
同じ無機の屋根用塗料でも、どの屋根材に塗れるかは製品の資料で決まっています。
たとえば、粘土瓦(釉薬瓦・いぶし瓦など)には使えない製品や、アスファルトシングルを除いている製品がありました。
使える屋根材を、スレート・波形スレート・洋瓦・トタンと書いている製品もあります。
| 製品の資料で見るところ | 分かること |
|---|---|
| 適用下地・適用素材 | 自分の屋根材に塗れるか |
| 使えない屋根材の注記 | 粘土瓦・アスファルトシングルなどの扱い |
| 下塗り材の指定 | 屋根材ごとに何を下に塗るか |
使える屋根材は製品の資料で決まっているので、自分の屋根材の名前を伝えて、その製品が使えるかを聞くのが確かめ方です。
自分の屋根材に使える製品かは現地調査で見てもらうところなので、ヌリカエで紹介された何社かに見てもらうと、製品の選び方の説明を比べられます。
雨漏りや割れがある屋根は塗装の前に相談する
雨漏りや、屋根材の割れ・反りがある人は、無機かどうかを選ぶより先に、屋根全体を見てもらいます。
屋根材メーカーの資料には、専用の塗料を「美観の回復・向上を図るための塗料」と書いているものも。
雨漏りの原因が屋根材や下地にあるときは、無機かどうかを選ぶ前に、原因を見てもらうほうが順番どおりです。
傷みが進んだ屋根は塗装できない場合がある、と塗料メーカーの資料にも書かれています。塗装で済むのか、今の屋根に新しい屋根材を重ねるカバー工法か、はがして新しくする葺き替えかを、先に見てもらうと順番を間違えません。
重ねて張る工事の費用は、屋根カバー工法の費用の記事で取り上げました。
屋根塗装を無機塗料にするかは相場の差と住む年数で決める
屋根を無機塗料にするかは、フッ素やシリコンとの金額の差と、この家にあと何年住むかで決めると迷いにくくなります。
あと何年住むかで無機・フッ素・シリコンを選ぶ
屋根に無機まで要るかは、あと何年住むかと、次の塗り替えで足場をいつ組むかで考えます。
55㎡の見積もり例では、無機はフッ素より約4万円、シリコンより約7万円高い計算でした。
この差を、次の塗り替えまでの間隔をどう考えるかと並べて決めます。
- 長く住み、次の塗り替えの回数を減らしたい人は無機も候補
- 住み替えや建て替えも考えている人はシリコンやフッ素も並べる
- まだ決めていない人は無機とフッ素の両方の見積もりを見る
ただ、期待耐用年数はメーカーの目安で製品により幅があり、保証でもないので、1年あたりの損得の計算はやめておきました。
年数は目安として見て、差額と住む予定で選ぶほうが、自分の家に合わせやすいはずです。
住む年数に合う塗料は、無機とフッ素など2つの見積もりをヌリカエで紹介された会社に出してもらうと、自分の家の差額で決められます。
外壁と一緒に塗るなら屋根と外壁の塗料をそろえて考える
外壁と屋根を同じ時期に塗る場合、屋根だけ無機・外壁はシリコンのように塗料を分けると、次の塗り替えの時期がずれることがあります。
年数はどちらも目安でずれると言い切れるわけではありませんが、次に足場を組む時期をそろえたい人は、塗料のグレードも合わせて考えると決めやすいはずです。
国土交通省のマンションの修繕積立金に関するガイドラインには、足場が要る工事は一般に時期を合わせて一括して行われている、と書かれています。マンション向けの資料ですが、戸建てでも、外壁と屋根の時期が近ければ足場を一度で済ませられる場合があるでしょう。
逆に、外壁と屋根の傷み方や前回の工事の時期が大きく離れているときは、無理に合わせなくてかまいません。
足場代の目安は、40坪2階建ての外壁と屋根の塗装相場で外壁と屋根を一緒に塗るときの考え方とあわせて書きました。
無機塗料が向く人とほかの塗料で足りる人
業者に「屋根は傷みやすいので無機がおすすめ」と言われたときは、自分がどちらに近いかで受けるかを決められます。
- この家に長く住む予定
- 外壁も同じ時期に無機で塗る
- 屋根材が塗れる状態
- 住み替えや建て替えを考えている
- 予算を抑えたい
- 屋根の傷みが進んでいる(塗料より先に屋根を見てもらう)
屋根は外壁より日差しや雨を受けやすく、塗料メーカーにも屋根に無機をすすめる書き方をしているところがあります。
だからといって全員に無機が合うわけではないので、無機とフッ素の両方で見積もってもらい、差額と説明を聞いて決めれば大丈夫です。
両方で頼む比べ方は、無機とフッ素の両方で見積もってもらうでまとめました。
見積書では製品名・下塗り・縁切り・面積の4つを見る
無機塗料の見積書で見るのは、塗料の製品名・下塗り・縁切り・屋根の面積の4つの行です。

見積書全体を範囲・数量・単価・条件の順に読む方法は、わかりやすい屋根塗装の見積書の読み方にまとめています。
塗料の行はメーカー名と製品名まで書いてもらう
見積書に「無機塗料」「無機系」とだけ書かれていたら、メーカー名と製品名まで書いてもらいます。
同じ「無機」でも製品で中身と単価が違うためです。
- その製品が自分の屋根材に使えるか
- 1㎡に塗る塗料の量(標準塗布量)
- 下塗り材の指定と注意書き
製品名が書いてあれば、メーカーの資料で使える屋根材や塗る量を確かめられます。
製品名を書いてもらうのは、見積書の中身を確かめるための頼みごとなので、遠慮しなくて大丈夫です。
製品名まで書いてあれば、ほかの会社の見積もりと同じ製品どうしか、違う製品かも分かります。
下塗り材と塗り回数は屋根材に合っているかを見る
下塗り材(屋根材と仕上げの塗料をくっつけるために最初に塗る塗料)は、屋根材の種類で選ぶものです。
メーカーも「下地の種類に応じ、適切な下塗材を選定してください」と書いています。
下塗り材の種類は、吸い込みを止めるシーラーや、金属などに密着させるプライマーなど。見積書には、下塗り材の名前と回数が書かれているかを確かめるところ。
屋根用塗料の製品説明書にも、下地調整が足りないと、塗膜の膨れ・割れ・はがれの原因になるという注意があります。
自治体のマンション向けのページにも、同じ趣旨の一文がありました。
どれほど高耐久の塗料を使っても、高圧洗浄やひび割れ補修といった下地処理が不十分であれば、数年で塗膜の剥がれや膨れが生じます。
見積書では、高圧洗浄・下地調整・下塗りの行がそろっているかも見ておきたいところ。
また、無機系やフッ素系で塗ったスレートには、次の塗り替えで指定の下塗りを使うよう書いているメーカーもあります。
塗った製品名と下塗り材は、見積書や工事の記録で手元に残しておくと、次の塗り替えのときに役立つはずです。
縁切りは見積書の行と方法を聞く
縁切りは、スレート屋根の重なり目が塗料でふさがらないよう、すき間をあけて水の逃げ道を残す作業です。
メーカーの資料には、重なった部分に塗料がたまると、漏水や雨漏れにつながると書かれています。
ヌリカエのコラムでは、見積明細の縁切りの単価は1㎡あたり250〜480円(真ん中300円・185件)でした。
- 見積書に縁切りの行があるか
- どの方法で行うか
- その方法が屋根材メーカーの案内に合っているか
方法は、塗ったあとに皮すきなどで塗料を取るやり方と、すき間に部材を差し込むやり方の2通り。
屋根材メーカーの中には、差し込み型の補助部材を使わないよう案内しているところもあり、方法は屋根材メーカーの案内で違います。
行が見当たらないときは、「この屋根で縁切りは要るか、どの方法か」を聞いておくと迷いません。
屋根の面積と缶数で塗る量を確かめる
見積書の塗料の行には、屋根の面積(㎡)が書いてあるかを見ます。
同じ30坪でも、ヌリカエのコラムの中で屋根の面積の前提は55㎡・76㎡・約100㎡と違い、床面積がそのまま屋根面積になるわけではありません。
面積の数字が分かれば、塗料の缶数(使う塗料の缶の数)も目安が出せます。
メーカーの標準塗布量(1㎡に塗る量の目安)が1㎡あたり0.15〜0.18kgの製品なら、屋根100㎡に2回塗ると30〜36kgで、15kgの缶で2〜2.4缶分です(筆者の計算)。端数が出るので、実際は2〜3缶になることもあります。標準塗布量は製品や下地で違うので、面積と缶数がだいたいつり合っているかを見るための目安です。
そのうえで、どう数えたかは、図面から出したか、現地で測ったかを聞けば分かります。
数量が「一式」と書かれていたときの考え方は、住まいるダイヤルのセルフチェックのポイントにある次の一文のとおり。
見積書の数量が「一式」と示されていた場合は、改めて内容の確認が必要です。できる限り数量と単価を示してもらいましょう。
面積と缶数の出し方をそろえてヌリカエで紹介された会社にも頼めば、何社か分を同じ数量で並べられます。
同じ条件の見積もりを並べて屋根塗装の無機塗料の相場を確かめる
自分の家の無機塗料の金額は、同じ条件で何社かに出してもらった見積もりを並べると確かめられます。
屋根材・面積・塗料・下塗り・縁切りをそろえて頼む
比べる相手には、屋根材と面積、塗料、下塗り、縁切りをそろえて見積もりを出してもらいます。
住まいるダイヤルのセルフチェックのポイント1にある一文がこちら。
相見積りを取得する際には、後の比較検討をしやすくするため、各事業者に同じ条件で依頼しましょう。
同じページは、工事項目をそろえて比較表を作るのが有効だとしています。
| そろえる項目 | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 屋根材と面積 | |||
| 塗料(製品名) | |||
| 下塗り材と回数 | |||
| 中塗り・上塗りの回数 | |||
| 縁切り(有無・方法) | |||
| 足場 | |||
| 合計 |
義父が外壁塗装をしたときは、私も見積もりを見ています。最初の1社は手書きで、内訳が分かりにくいものでした。ほかの会社にも見積もりを出してもらって並べると、どこが違うのかが見えて、義父は納得できる会社を選べました。
屋根の無機塗料の話ではありませんが、並べて違いが見えたのは同じ考え方です。
違いの理由は、見積書の項目ごとに確かめると比べやすくなります。
家を建てた会社の見積もりと専門の塗装会社の見積もりを並べる人は、外壁塗装はハウスメーカーより専門業者が安いかで、比べるときの考え方をまとめました。
無機とフッ素の両方で見積もってもらうと差が見える
無機にするかフッ素にするかで迷う人は、同じ会社に両方の金額を出してもらうと、自分の家での差額が見えます。
ヌリカエのコラムの55㎡の例でも、差は約4万円でした。
屋根の面積や製品が違えば差も変わるので、自分の家の数字で見ないと決めきれません。
- 無機とフッ素の両方で金額を出してほしい
- 下塗り・縁切り・足場は同じ条件で
- それぞれの製品名と期待耐用年数の目安も書いてほしい
そうして差額と年数の目安を並べれば、無機にするかを自分で決められます。
並べた結果、今の会社に決めることになってもかまいません。
両方の見積もりを同じ条件で集めたい人は、ヌリカエで紹介された会社にも無機とフッ素の両方で頼めば、1枚の表で比べられます。
屋根の条件を伝えてヌリカエで会社を紹介してもらう
ヌリカエは、屋根の塗料を無機にするか、何社かの見積もりで比べてから決めたい人に向いています。
申し込んで最初に電話をかけてくるのは、塗装会社ではなくヌリカエの専門アドバイザーです。
申し込みから見積もりがそろうまで
入力した電話番号に、ヌリカエの専門アドバイザーから連絡があります。
屋根材と、無機とフッ素の両方で見たいことを伝えておくと、同じ範囲で出してもらいやすいはずです。
紹介された会社からも連絡があり、現地調査の日取りを決めるところ。
屋根を見たうえで、各社が見積書を出す流れ。
ヌリカエのコラムには、2023年1月以降に屋根塗装だけで成約した一戸建ての例が1,930件まとめられていて、屋根だけの工事でも相談できることが分かりました。
ヌリカエには、専門アドバイザーが電話で状況を聞いてから、条件に合う塗装会社を最大4社まで紹介するという強みがあります。加盟している塗装会社は全国5,000社以上(2026年10月時点・公式FAQ)。紹介された会社にお断りしにくいときに、ヌリカエへ連絡できるのも助かるところ。
同じ屋根材・面積・下塗り・縁切りで取った何社かの見積もりを並べると、無機塗料の行のどこで金額が違うのかが見えてきます。製品か、塗り回数か、面積かが分かれば、無機にするか、どの会社に頼むかも自分の判断で選べる状態です。
ヌリカエの相談の流れは、公式ページで確認できます。
\ 複数社をまとめて比較・しつこい個別交渉は不要 /
申し込んだあとの電話や紹介の流れはヌリカエの仕組み、使った人の声はヌリカエの評判・口コミにまとめています。
頼む会社が決まっている人は見積書の確認だけで大丈夫
頼む塗装会社がもう決まっていて比べる気がない人は、紹介サービスを使わなくて大丈夫です。
この記事の見積書の4つ(製品名・下塗り・縁切り・面積)を確かめれば、無機塗料の行の中身は読めます。
契約の前で急がない人には、住まいるダイヤルのリフォーム見積チェックサービスという窓口もあり、建築士の相談員から電話で説明を受けられる仕組みです。

| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 対象 | これから契約する人の契約前の見積書 |
| 料金 | 無料 |
| 答え方 | 建築士の相談員が電話で答える |
| 予約 | 申し込みから最短14日後以降 |
| 使えないとき | 業者とトラブルになっている場合 |
見積書への理解を深めるためのサービスで、積算資料の価格の情報提供はありますが、業者との交渉や責任を追及するためのものではありません。
分からない行は、頼む会社に聞いて書き足してもらえば、その会社のまま納得して進められます。
屋根塗装の無機塗料の相場でよくある質問
屋根塗装の無機塗料の金額と選び方について、よく聞かれる質問に答えます。
屋根の無機塗料は1㎡あたりいくらが目安ですか?
ヌリカエのコラムの見積明細では、屋根の上塗り1回あたりの真ん中の金額が1,500円/㎡で、多くは1,150〜2,000円/㎡の範囲です。製品によって幅があり、フッ素より高くなる製品もあります。表と件数は無機塗料の単価は上塗り1回あたりでフッ素とほぼ並ぶにまとめました。
屋根塗装を無機塗料にすると総額はいくらくらいですか?
ヌリカエのコラムの見積もり例(30坪・屋根55㎡・足場と付帯部込み・税込)では604,123円です。屋根の面積や付帯部が違えば合計も変わるので、一般的な目安として見てください。塗料ごとの合計は同じ屋根で塗料だけ替えた見積もり例で差を見るの表にあります。
屋根なら無機塗料とフッ素塗料のどっちがいいですか?
金額の差は55㎡の見積もり例で約4万円、真ん中の単価どうしでは100㎡で約1万円と小さく、あと何年住むかと次の塗り替えの時期で決めると迷いにくくなります。製品によっては無機がフッ素より高くなることもあるので、両方で見積もってもらうのが、自分の家の差額を知る近道です。考え方はあと何年住むかで無機・フッ素・シリコンを選ぶと無機とフッ素の両方で見積もってもらうと差が見えるで解説しました。
無機塗料は本当に20年以上もちますか?
私が確認できたメーカーの資料では、期待耐用年数は製品によって「15年以上」から「20〜25年」まで違い、どれも次の塗り替え時期の目安としての書き方です。保証の値ではないと書くメーカーや、地域や立地、塗る面の方角でも変わると注記する資料もあります。詳しくはよく見る耐用年数は次の塗り替え時期の目安にまとめました。
無機塗料はひび割れしやすいって本当ですか?
メーカー自身が、無機成分は硬く強い反面、もろさがあると説明し、有機の樹脂と組み合わせて柔軟性を持たせています。「無機はひび割れる」と言い切れる話ではなく、屋根材に合う下塗りと下地調整が大事という話です。メーカーの説明は硬く強い反面もろさもあるとメーカーも説明しているで紹介しました。
スレート屋根に無機塗料を塗っても大丈夫ですか?
スレートに使える無機の屋根用塗料はありますが、傷みが進んだスレートは塗装できない場合があるとメーカーの資料に書かれています。塗料を決める前に、屋根材がもろくなっていないかを現地調査で見てもらうのが先です。確かめる順番はスレート屋根は傷みが進むと塗れないこともあるにまとめました。
ガルバリウム鋼板の屋根にも無機塗料は使えますか?
金属屋根を使える屋根材に挙げている無機系の屋根用塗料はあります。下塗りには錆止めを使い、製品ごとに使える屋根材が決まっているので、屋根材の名前を伝えて使えるかを聞いてみてください。見るところは金属屋根は錆止めの下塗りと使える製品かを見るにまとめました。
外壁を30坪で無機塗料にするといくらくらいですか?
ヌリカエのコラムの内訳例(30坪・外壁のみ・外壁119㎡・税込)では1,073,614円です。ヌリカエの案内では、30坪の外壁塗装の相場は80万〜120万円(真ん中の金額100万円)なので、その範囲の中にあたります。内訳は外壁を無機塗料にした30坪の内訳例を見るの表に載せました。
見積書に「無機塗料」としか書かれていません。大丈夫ですか?
同じ無機でも製品で中身と単価が違うので、メーカー名と製品名まで書いてもらうと中身を確かめられます。製品名が分かれば、使える屋根材や塗る量をメーカーの資料で調べられるのも利点です。頼み方は塗料の行はメーカー名と製品名まで書いてもらうで解説しました。
無機塗料で塗るときも縁切りは必要ですか?
スレート屋根では、重なり目に塗料がたまると漏水につながるとメーカーの資料に書かれています。方法は屋根材メーカーの案内で違うので、見積書に縁切りの行があるかと、どの方法かを聞いておくと迷いません。聞くことは縁切りは見積書の行と方法を聞くにまとめました。
まとめ:屋根塗装の無機塗料は相場を知り同じ条件の見積もりで決める
屋根を無機塗料で塗る費用は、ヌリカエのコラムの55㎡の例で約60万円と、フッ素より約4万円高い程度です。
差は塗料の行に出るので、同じ条件で何社かに出してもらった見積もりを並べれば、無機にするかを自分で決められます。
今は、無機塗料の単価を何本読んでも数字がそろわず、手元の見積もりの無機塗料の行が高いのか、無機まで要るのか迷っているかもしれません。
屋根材・面積・下塗り・縁切りをそろえた何社かの見積もりが並べば、どこで金額が違うかが自分の目で見え、無機にするか、どの会社に頼むかを決められます。
もちろん、並べた結果、フッ素やシリコンにしても、今の会社に決めてもかまいません。
ヌリカエは、専門アドバイザーが電話で家の状況を聞き、条件に合う塗装会社を最大4社まで紹介する窓口です。加盟会社は全国5,000社以上(2026年10月時点・公式FAQ)で、同じ屋根について何社か分の見積もりを並べやすいのも心強いところ。
屋根の無機塗料の金額を、同じ条件の見積もりで確かめたい人には、ヌリカエが向いています。
\ 審査済みの優良業者を地域から紹介 /

